外見を変える選択を受ける本人

ダウン症は顔に特徴が出るため、周囲にはっきりとわかりやすい障害です。外見を除けば、軽度な知的障害が見られることがあるくらいで、学校などでも普通学級に在籍していることが珍しくありません。

外見の特徴としては、顔の中心部の発達が遅く、周辺部は普通に発達した結果、顔の凹凸が少なく目と目の感覚が離れて釣り上がるという特徴が出ます。ダウン症の人の首は太く短く見えます。

また、頭を上から見た場合、縦長にならず横長になります。こうした外見上の特徴が差別を生むことがあるため、特に海外では整形手術を受ける選択をする人もいます。もちろん、整形手術で外見を変えるのは個人の自由です。

しかし、知的障害があるような場合、外見上の特徴でそのことが予測できることは一概に悪いことではありません。例えば、はっきりと欧米人の顔つきをした人が日本語で話しかけて来たとします。

その日本語が理解不能だったとしても、大抵の場合、話しかけられた人は何とか理解できるように努力します。ところが、これがどう見ても日本人であった場合、薬物中毒か酔っているのかも知れないと勘違いされかねません。

からまれたと思われ逃げられる可能性もあります。同じことは障害を持つ人にも言えることです。車椅子に乗っていたり、杖をついて歩いている場合、周りの人たちも事情を理解して手助けをしてくれたりもします。

外見上は全く正常な障害を持つ人の場合、逆に周囲の理解が得られなかったり援助してもらえなかったりする可能性があります。ダウン症は経済状況や人種などと関係なく、800人から1000人に1人の割合で発生します。

全体として見れば、それほど多くはないので、ほとんどの人はダウン症の人たちと直接接することなく日常生活を送ることになります。

ダウン症の外見から悪いイメージを持つのは、見る人たちがダウン症のことをよく知らないということが原因にあります。

実際に変わらなければならないのは、ダウン症の人たちの顔のほうではなく、正しい知識を持たずにその顔を見る人たちの心なのです。